ノイズフィルタに対する小型軽量化のニーズを先取りした

小型・軽量・高性能 単相用ノイズフィルタ:GTXシリーズ

ナノクリスタルコア、ブラスチック筐体、高密度構造化により業界最小レベルを実現

業界最小レベル*の小型軽量化を実現した「単相用ノイズフィルタGTXシリーズ」をご紹介いたします。

GTXシリーズは、市場ニーズを先取りする形で「より小型に、より軽量に、より高性能に」を目標に開発いたしました。部材や筐体の見直し、内部構造の最適化などを積み重ね、従来のフェライトコアを使ったタイプに比べ、大幅に小型・軽量でありながら、より高い減衰性能を実現しました。

近年、機器の小型軽量化要求は分野、アプリケーションを問わず強まっており、従来比較的小型軽量化要求が顕著ではなかったノイズフィルタにも小型軽量化要求の声が聞こえるようになり、高性能でありながら小型軽量を実現しているノイズフィルタGTXシリーズに注目が集まっております。

* 当社調べ(2020年8月時点)

小型・軽量・高性能 単相用ノイズフィルタ GTXシリーズ

従来品に比べ大幅な小型軽量化と高減衰性能の両立を実現

小型軽量と高減衰性能の両立を実現したノイズフィルタ:GTXシリーズ

トーキンのGTXシリーズは、コモンモードチョークコイルにナノクリスタルコアを採用し、筐体はプラスチックに、そして内部構造の最適化(特許取得済)による高密度実装により、従来のフェライトコアを使ったタイプに比べ、大幅に小型・軽量でありながら、より高い減衰性能を実現しています。

GTXシリーズの小型・軽量・高性能を実現したキーアイテムの1つであるナノクリスタルコアは、ナノクリスタル(ナノ結晶合金)を磁性体としたコアです。一般的なフェライトコアと比較すると非常に高い比透磁率を持つので、小さくても大きなインダクタンスを得られ、同特性であれば小型化や軽量化に寄与します。また、特に低周波域での特性に優れ、広い温度範囲で安定したインピーダンス特性を確保できる磁性材料となっております。

単相用ノイズフィルタGTXシリーズの概要と特長

以下に、ノイズフィルタGTXシリーズの概要と特長を示します。

  • ナノクリスタルコア、高密度構造、プラスチック筐体採用
  • 業界最小レベルの小型軽量化を実現
  • 広帯域で高減衰性能を実現
  • 外形寸法:75×44×25mm、重量:約130g
  • 単相 250VAC
  • 使用温度範囲:-25℃~+55℃
  • 定格電流ラインナップ:6A、10A、16A、20A、30A
  • 6パタ-ンのYコンデンサ仕様により周波数対応が容易
  • 取り付けが容易かつ安全なジャンプアップ式ねじ端子、ワンタッチ開閉端子カバーを採用
  • 安全規格認証:UL、cUL、TÜV
  • EU RoHS指令適合
ラインアップ、主要仕様、内部構成、外形寸法

ラインアップは全30品種で、格電流6A、10A、16A、20A、30Aの5タイプに対して、各6パターンのYコンデンサ(接地コンデンサ)組み合わせを用意しており、様々な電気・電子機器のノイズ対策に対応いたします。外形寸法は全品種共通で、L75mm×W 44mm×H 25 mm。

品名の「Y##」は、YコンデンサCY1とCY2の組み合わせを示します(内部構成図参照)。6パターン中、「Y00」はYコンデンサなしのバージョンとなります。医療機器などでの低漏洩電流要求に対応する仕様となります。

単相ノイズフィルタGTXシリーズのラインアップと主要仕様
品名 定格電流
(AC/DC)
定格電圧 絶縁耐圧 絶縁抵抗 使用温度範囲 重量
(代表値)
GTX-2060-Y## 6A 250VAC
(50/60Hz)
および
560VDC*
1,500VAC
(1分間、ライン-アース間)
300MΩ Min.
@ 500VDC
(1分間、ライン-アース間)
–25℃~+55℃ 約127g
GTX-2100-Y## 10A 約126g
GTX-2160-Y## 16A 約130g
GTX-2200-Y## 20A 約133g
GTX-2300-Y## 30A 約132g
* 各国安全規格には250VACのみ認証済み
Yコンデンサ仕様
 Y## CY1 CY2 漏洩電流
(250VAC、60Hz)
Y00 なし なし 10µA Max.
Y02 なし 2200pF 0.5mA Max.
Y03 なし 3300pF 0.75mA Max.
Y0X なし 10000pF 2.3mA Max.
Y22 2200pF 2200pF 1.0mA Max.
YXX 10000pF 10000pF 4.6mA Max.
内部構造
コモンモード減衰特性例(GTX-2160-Y##)
外形寸法

GTXシリーズと従来品の比較

GTXシリーズの小型軽量かつ高性能という特徴を、同等の従来品との比較によって具体的に示します。比較に使用するのは、GTXシリーズはGTX-2200-Y0X、従来品はフェライトコアを採用しているトーキンGTシリーズのGT-22001V。どちらも定格電流が20Aで、近似の周波数帯に対するノイズフィルタとしては同等の位置付けのものです。

体積は約40%、重量は半分以下

サイズは下表にあるように、GTXシリーズはL 75×W 44×H 25(mm)、従来品はL 104.5×W 50.8×H 39(mm)。GTXシリーズは、長さLと高さHが3割程度小さいイメージで、体積は約40%です。これは、コアにナノクリスタルを採用したことと、内部レイアウトの高密度構造化(特許取得済)が寄与しています。また、重量は半分以下を達成しており、コアが小さいことに加え、従来品が金属の筐体を使用しているのに対して、GTXシリーズはプラスチック筐体を採用したことによります。なお、ここで示した差は電流定格の大小などによって異なってきますが、総じてGTXシリーズは従来品に対して小型軽量化を実現しております。

ナノクリスタルコア採用の小型軽量ノイズフィルタGTXシリーズとフェライトコアの従来品GTシリーズの比較
GTX-2200-Y0X GT-22001V GTXシリーズのポイント
コア材 ナノクリスタル フェライト 小型化と特性向上
サイズ (mm) L 75×W 44×H 25 L 104.5×W 50.8×H 39 内部レイアウトの高密度構造化
体積約40%
重量 (g) 131(代表値) 280(代表値) 金属製筐体⇒プラスチック製筐体
重量半分以下
定格電流 (A) 20
(シリーズ:6~30)
20
(シリーズ:5~20)
大電流を許容する放熱システム
小型化しつつ大電流に対応
接続方法 ジャンプアップ式ねじ端子、
ワンタッチ開閉端子カバー
ねじ端子またはファストン端子 取付けが容易かつ安全
小型軽量化と減衰特性の向上を両立

以下に、コモンモード減衰特性の比較を示します。単純比較においては、1MHzまでは従来品(GT-22001V)の方が若干挿入損失(Insertion loss)が高いが、1MHz~10MHzの広い領域ではGTX-2200-Y0Xの特性が良好となります。

グラフには代表としたGTX-2200-Y0Xに加えて、GTX-2200の他のYコンデンサバリエーション5品種の特性も併載。GTXシリーズは、減衰させたいノイズの周波数帯に適したYコンデンサ仕様の品種を選択することで、従来品より良好な減衰特性を得ながら、様々な周波数帯に対応可能です(低漏洩電流を目的としたYコンデンサなしのGTX-2200-Y00を除く)。

GTX-2200-Y##と従来品(GT)のコモンモード減衰特性。同等品の比較では、1MHz~10MHz帯でGTXの減衰性能が優れる。GTXシリーズはYコンデンサ仕様によって様々な周波数帯に対応する。

まとめ

GTXシリーズは、従来のフェライトコアを使用したタイプに対し、大幅な小型軽量化を達成しながら高減衰性能を両立した単相用ノイズフィルタです。

ノイズフィルタは、様々な電気・電子機器に幅広く利用されていながら従来のサイズが許容されてきましたが、近年の機器の小型軽量化への対応が求められはじめております。例えば、このところ設置が急増しているセルフレジなどは、省スペースが要求されつつ多機能化対応のため高集積化しており、構成するすべてに対して小型軽量化が求められるのと同時に、CPUや通信機能を備えるため入念なノイズ対策を必要とします。今後さらにこのような機器が増えることが予想され、GTXシリーズのような小型軽量で高性能なノイズフィルタの需要は、すでに増加の傾向が見えてきています。

トーキンはGTXシリーズを幅広い既存のアプリケーションに展開するとともに、スペースが課題になる小型で多機能を特徴とする新鋭の機器へのアプローチを強化します。また、現在の単相用のラインアップに3相用も追加する予定で、産業機器分野へも小型軽量高性能ノイズフィルタの展開をしていきます。

関連動画

製品紹介ビデオ:単相タイプ ノイズフィルター GTXシリーズ

製品紹介ビデオ:三相タイプ ノイズフィルター GTXシリーズ

近日追加予定(Coming soon)

クロスリファレンス

※メーカー名/シリーズ名/品番のセレクトボックスを選択して検索結果を絞り込みください。

絞り込み