CSR

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ケメット社グローバル行動規範

Global Code of Conduct

ケメット社グローバル行動規範

Ⅰ. ケメット社グローバル行動規範

A. 法令遵守に関する一般方針

ケメット社グローバル・コンプライアンス・ポリシー は、企業グループ、職能別グループ、子会社、関連会社、パートナーシップならびに合弁事業も含めて、ケメットの全社員に適用されます。本規範内での「社員」への言及には、すべてのケメットの社員、役員、取締役ならびにケメットに代わって行動している代理業務も含まれます。

いずれの社員も、本規範の規定に精通するよう求められています 。また、各社員は自らの仕事に影響を及ぼす法律、規則、規制、方針を知り理解する責任があります。会社はそれらの法律、規則、規制、方針を遵守させる教育を社員に必ず受けさせる責任があります。

当社の社員は、たとえ現地の法律が低い基準を認めているにせよ、本規範に定められたすべての基準に従うよう求められています。現地の法律が高い基準を要求している場合、当社の社員はその高い基準に従わなければなりません。適用される法律に基づく当社の社員の権利は、いつでも尊重されます。 ケメット社グローバル行動規範に違反すると、深刻な事態になります。全社員が違反の可能性がある事例を報告する責任を負っています。報告されたできごとはすべて徹底的に調査され、調査に基づいて妥当と判断されれば、解雇も含めた懲戒処分が行われます。

B. 法の精神に敬意を払う

当社のようなグローバルな会社は、同時に多くの様々な法令の適用を受けます。全社員が、 当社の事業活動に適用される法令を知り、これを遵守しなければなりません。場合によっては、二か国以上の適用法で不一致があるかもしれません。また、本規範または会社の指針が、現地の法令と異なることもあるかもしれません。こうした場合、常に高い基準に従わなければなりません。こうした類の不一致に遭遇したときは、この問題を適切に解決する方法を見つける際の支援を求めて、所属長、 勤務先の人事責任者またはチーフ・コンプライアンス・オフィサー(コンプライアンス推進担当者)に相談することが大事です。

しかし、法律の条文に従うこと以上に、私たちは法の精神と意図も遵守するように行動しなければなりません。合法ではあるが倫理的ではない「法解釈」または「抜け穴」を見つけようと、法の精神ではなく条文に固執することは認められません。

適用される法律すべての精神ならびに条文を遵守する際の手助けとなるよう、 当社は、電子業界 CSR アライアンス (EICC) 行動規範を採用しています。 これは、労働、安全衛生、環境、企業倫理を始めとする企業の責任のすべての側面に取り組んでいる包括的な行動規範です。これは、電子業界サプライチェーンの労働条件が安全で、労働者は尊重と尊厳をもって取り扱われ、事業活動が環境に配慮して倫理的に実施されるように、基準をまとめたものです。

継続的な法令遵守を保証するために、様々な内部監査とモニタリング制度を通して、これらのテーマを対象にした自己査定を定期的に行い、状況に応じて是正措置と予防措置を講じています。同様に、仕入先にも定期的な自己査定を行い、当社の要請があれば、当該査定の写しを提供するよう求めています。

C. 不適用/適用除外

滅多にないことですが、ケメット社グローバル行動規範内の特定の基準が、現地の慣習または法律に基づき適用されないことがあります。適用除外の要請は、企業グループの副社長(Business Group Vice President)または会社の役員が提案し、チーフ・コンプライアンス・オフィサーに提出しなければなりません。チーフ・コンプライアンス・オフィサーは、適用除外の要請に妥当性があるか否かを決定するために、会社の法律顧問に相談し、状況に応じて、経営幹部のメンバーにも相談しなければなりません。相談を受けた経営幹部のいずれかが、当該要請の承認に同意しない場合は、否定されます。相談を受けた経営幹部の全員が賛成した場合は、承認の推薦付きで取締役会の監査委員会に送られます。監査委員会は専ら自らの裁量で、当該適用除外が承認されるべきか拒否されるべきかを決定することができます。本規範のいずれかの点について適用除外を認める提案を、社員自らが行うことはできません。

適用除外が認められた場合、チーフ・コンプライアンス・オフィサーは、監査委員会、会社の法律顧問に相談し、場合によっては経営幹部のメンバーにも相談して、承認された当該適用除外の公表が必要か否かを決定します。

適用除外を求める際の支援は、所属する企業グループの副社長または会社の担当役員に相談してください。

Ⅱ. 意思決定と違反の可能性がある事例の報告

A. 意思決定への助言と支援

当社に係る誰もが、日々の役割や業務を行う際に間違っていること(wrong)よりも正しいこと(right)を選択するよう求められています。しかし、法律や倫理基準が様々に異なる世界にあって、 いずれの選択が正しいのか、いずれの選択が間違っているのか、常にすぐに明確になるわけではありません。 法的にまたは倫理面で影響のある問題をどう取り扱うべきか迷っているときは、指導を求めなければなりません。所属長、勤務先の人事責任者またはチーフ・コンプライアンス・オフィサーにその状況を相談することができます。助言し、意思決定プロセスの手助けをするのが、この人たちの仕事の一部なのですから。

B. 違反の可能性がある事例の報告

当社の社員として、法令または本行動規範に違反している疑いのある事例に気がついたり、または認識している場合、それを報告するのは、あなたの権利であり義務でもあります。これには、違反の可能性があると認識している行動を取るよう要求されている状況も含まれます。さらに、違反の疑いのある事例の調査には全面的かつ正直に協力しなければなりません。調査を妨害するために、証拠を隠蔽、改ざんもしくは破壊してはなりません。 法律または本規範の違反に気付いているまたは認識したのにもかかわらず、それを報告しない場合は、ケメット社グローバル行動規範の違反とみなされ、懲戒処分が科せられる場合があります。同様に、偽りの情報をわざと報告した場合も、懲戒処分が科せられることがあります。もちろん、所属長、 勤務先の人事責任者またはチーフ・コンプライアンス・オフィサー(コンプライアンス推進担当者)に誠意をもって行う報告には、たとえ調査の後に「誤った警告」であることが判明しても、決して責められることはありません。

違反の可能性のある事例について通常のルートで報告することに気が進まなければ、当社のリスナップ 制度を利用して違反の可能性のあるその事例を秘密裏にしかも匿名で報告することができます。リスナップ 制度は、ケメットの社員なら誰でも、Eメールか電話のいずれかを使って世界中で利用することができます。この制度は、当社に関係のない外部の会社により管理されており、あなたを特定する情報が求められる、あるいは当社の誰かに提出されることはありません。しかし、会社の電子情報システム規程(Electronic Information Systems policy)に従って、当社は、電話の会話、Eメールのほか、当社保有の機器や回線でアクセスされたインターネットのサイトの記録を常に保持していることを、今一度お伝えしておきます。誰かがリスナップに連絡したかを把握するためにこれらの記録を使うことは当社の意図するところではありませんが、当社が所有していない、あるいは当社の敷地内にはない機器や回線からのみ連絡することを強く勧めます。

C. 通報者の保護

当社は、法律または本規範の違反の可能性について誠意をもって報告した社員や、現在行われている行為または提案された行為に疑問を提起する社員に対するいかなる形の報復も許容しません。こうした報復を試みる者は、解雇も含めた懲戒処分を受けることになります。

懸念を表明した、あるいは違反の可能性について報告したことに対して報復がなされたと考える場合は、すぐに所属長、勤務先の人事責任者またはチーフ・コンプライアンス・オフィサー(コンプライアンス推進担当者)に連絡してください。

Ⅲ. 職場での倫理規範

A. 内部会計統制

会社の営業記録と財務記録が、会社の経営と事業活動を完全かつ正確に反映したものになるようにするのは、社員全員の責任です。当社は包括的な内部統制制度を設け、これを維持していますが、その意図は、会計記録が一般に認められた会計原則と適用されるその他の法令に従って、信頼できる正確な財務情報を確実に提供できるようにするためです。会社の経理部長は主に対外的な (すなわち、証券取引委員会) 法令遵守と報告に責任を有しています。それでも、あなたも社員として、仕事で要求される文書と報告書が正確で真実である(例えば、タイムカードと経費の報告書)ようにしなければなりません。いかなる場合にも、 当社は偽りの記録を作成することを支持したり、大目に見たりすることはありません。

正確ではない可能性のある記録に気付いたら、その状況をすぐに所属長、勤務先の人事責任者またはチーフ・コンプライアンス・オフィサー(コンプライアンス推進担当者)に報告してください。

B. 人権

当社は、事業を展開しているいずれの国においても、雇用に関するものも含めてすべての法律を遵守しています。しかし、法の条文のみならず法の精神を強く意識し、当社の社員は皆、勤務地や地位に関係なく、常に公正で尊厳と敬意をもって取り扱われなければなりません。私たちは、組織内の風通しを良くし、それぞれ異なる経歴、経験、やり方、取り組み方、意見を持つ個々人を尊重するのが良いと考えています。

同様に、あなたは当社の社員として、尊厳と信頼を保ちながら行動するよう求められています。常に成熟した責任ある大人として行動すること、社内と社外のいずれにおいても相手と取引する際はよく見極めること、また、あなたが他の人に期待するのと同じように、同僚には公正で、尊厳と敬意をもって接することが求められています。

監督者と管理者に求められるのは、すべての社員が公正で公平な取扱いを必ず受けられる職場環境を作って、これを維持することです。

C. 差別

当社は、アメリカ合衆国の雇用機会均等に係る一切の法律と、当社が事業を展開しているすべての国の規制その他、雇用慣行に係る国の法律を遵守しています。法律の条文の遵守以上に、その国がこうした保護を義務付けているか否かに係わらず、社員全員に同じ雇用機会を提供するよう尽力しています。当社は、雇用機会の制限が正当な職業上の要件でない限り、人種、肌の色、宗教、性別、年齢、性的指向、性同一性と表現、民族性または国籍、障害、妊娠、所属政党、組合員、保護された遺伝子情報、配偶者の有無、退役軍人を理由に差別することはありません。また、障害を持った社員に対しては合理的配慮をしています。募集、雇用、研修、昇進、報酬、給付、異動、娯楽 、社会的プログラムおよびレクリエーションプログラ ムを含めて、雇用に係るすべての分野で、こうした原則に従っています。

D. 嫌がらせ

当社は、いずれの社員も、いかなる種類の嫌がらせもない環境で、仕事ができるようでなければならないと考えています。嫌がらせには、社員の仕事の状況に 影響を及ぼす行為や、対立的または不快感を与える職場環境を作り出す行為が 含まれます。社員による嫌がらせだけでなく、顧客、仕入先その他、社外の者 からの嫌がらせを防ぐために、当社は必要な措置を講じます

E. 安全衛生と環境

環境に関する多くの法律、基準、規制および政策は、当社が世界中で展開している事業と製品に適用されます。当社の社員として、自分の仕事に適用されるこれらの法律等を理解し、従わなければなりません。原則として、当社は次のことに取り組んでいます。

  • エネルギー、水、原材料その他の天然資源を節約して使用する
  • 材料と廃棄物を適切に管理する
  • 当社製品中に含まれる有害物質の使用を削減/最小化する
  • 当社の製造技術による環境への影響を最小化する

また、 当社は、社員の職場内での安全衛生を保護するために合理的なすべての対策を講じるよう取り組んでいます。そのため、あなたも常に当社の安全衛生環境方針に適合するやり方で業務を遂行するよう求められています。

F. 薬物乱用

安全で衛生的な職場環境は、薬物乱用とは無縁でなければなりません。社員はいかなる場合も、アルコール、違法な薬物または管理対象の薬物の影響を受けた状態で、出勤、会社の装置操作社有車の運転、担当業務の遂行、または会社敷地の内外で会社の業務に従事すること、を行ってはなりません。ただし、適切な業務慣行に従って顧客と食事その他の接待において妥当な量のアルコールまで排除するものではありません。会社の業務中などに会社の敷地内で顧客、来客または社員にアルコール飲料を出すには、会社の役員からの書面での承認が必要です。

社員はまた、会社の敷地内にいる間または会社の業務を行っている間は、アルコール、違法な薬物または管理対象の薬物を販売、購入、製造、加工または流通させることも禁止されています。この規程の発効に伴い、当社は然るべき法執行機関に通報することができます。

この禁止規定は、免許のある医師から処方された合法的な薬物を摂取している社員には及びません。しかし、 こうした処方薬であっても、仕事の重要な業務の遂行の妨げとなってはならず、またあなた自身や職場の他の社員の安全または衛生を脅かすものであってはなりません。

G. 電子情報システム

当社の電子情報システムは業務用装置と技術基盤の一部であり、業務目的のために使用しなければなりません。電子情報システムには、あらゆる形式の電子通信または電子データ保管が含まれます。

当社の社員、業者、会社の電子情報システムにアクセスすることを認められたその他の人々は、こうしたシステムを適切かつ責任を持って、しかも会社の方針に従って使用しなければなりません。

当社の電子情報システムの利用者として、これらのシステムを経由して作成、 保管、受領または送信したデータには、個人のプライバシー権はありません。

H. プライバシーと個人情報

多くの国が、個人情報 (個人について特定、連絡または場所の特定ができる情報) の適切な取扱い要件を定めた個人情報保護法を施行済みか、施行を計画しています。当社は、事業を展開している国で定められたプライバシーに係る法律を常に遵守しています。

また当社は、顧客、仕入先および社員も含めて一緒に仕事を行っている人々のプライバシーへの合理的な期待(reasonable privacy expectations)を保護することに取り組んでいます。個人情報は、法律や契約で要求されているとおり、必要最小限の人にだけ知らせるという原則にしたがって、収集、保存、処理、送信および/または共有しています。いずれの場合も、個人情報の善良で責任ある管理者になることで、プライバシーに対する個人の権利を尊重します。

IV. 市場での倫理規範

A. 詐欺行為

詐欺行為とは、個人的な利得を求めての意図的なごまかしと定義されています。以下等も含めた詐欺的な行為は、常に悪いことです。

  • 使い込み – 会社資金の窃盗
  • 小切手などの譲渡可能な証券のねつ造または改ざん
  • 当社、社員、顧客、取引先または仕入先に帰属する資産の悪用
  • 誤った経費報告書の提出
  • 個人的な使用のために現金、有価証券、貯蔵品その他の会社資産を持ち去ること
  • 未公表または記録のない銀行口座や資金または当社の資産を設置もしくは保持すること
  • 会社の取引を承認なしに行うまたは報告すること
  • 会社の記録または財務諸表に誤った、不自然なまたは誤解を招く恐れのある記入をすること

当社が詐欺行為を行うことは決してなく、当社を利用して詐欺を働く人物に対しては、速やかに対策を講じます。

B. 贈収賄防止法と海外腐敗行為防止法 (FCPA)

多くの国には、贈収賄その他の腐敗を防止する法律があり、その意図は、法規制をないがしろにして企業や個人が不正な利益を得ることを阻止することです。当社が賄賂やリベートを提供したり、受け取ったりすることは絶対になく、いかなる不正行為にも参加したり、手助けしたりすることもありません。賄賂やリベートに関するこの禁止規定は、代理店、業者、コンサルタント等、当社のために業務を行っている第三者にも適用されます。当社の業務において、賄賂やリベートを提供しようとしているように思われる第三者とは絶対に契約しません。

米国の海外腐敗行為防止法(FCPA)は、政府関係者、政党または立候補者が商機に係るとき、彼らの行為または決断に影響を及ぼすために、彼らに対して支払いまたは対価の提供を禁じています。仕事上、ある国の政府関係者、政党または立候補者と取引をしなければならない場合、この法律に精通しておく必要があります。可否について疑問があれば、すぐにチーフ・コンプライアンス・オフィサー(コンプライアンス推進担当者)に連絡してください。 当社は、いわゆる 「円滑化のための支払い(ファシリティ・ペイメント)」も含めて、彼らの決定に影響を及ぼす意図でなされた公務員への支払いを厳重に禁止します。行政サービスを円滑にするだけであるとしても、その国または地域では伝統的なものであるとしても、また金額も少額であるとしても、公務員に適用される現地の法律文書で認められているか、要求されない限り、公務員への手土産(token tips)や少額の支払いは禁止されています。

C. 贈り物/接待

当社は、世界中の多くの国で事業を展開しており、業務上の贈り物に関する習慣は多岐にわたります。接待も含め業務上の贈り物をしたり、受け取ったりするほうが、お互いの感謝と謝意の表現として丁寧であったり、適切な場合があります。仕入先、顧客ならびに公務員への理解を促し、意思伝達を円滑にするための単なる礼儀として意図され、理解されるビジネスでの食事、接待または手土産の提供または受領は、適切に記録されていれば認められます。 認められる業務上の贈り物または接待は原則として、以下のものになります。

  • 不定期であり、現金ではなく、高価なものではないもの(接待の場合、250米ドルまたはそれに相当する現地通貨、また、贈り物の場合、100米ドルまたはそれに相当する現地通貨と決定)
  • 適用される米国と当該国の法律すべてを遵守しているもの
  • 会社、その贈り物を受け取る人、またはその贈り物を渡す人が困らないもの

100米ドル以上の価値のある贈り物を受け取ったり、あるいは250米ドル以上の接待を受けた場合、上司または勤務先の人事責任者に知らせ、その状況を説明しなければなりません。贈り物または接待を受けることを選択した場合、その贈り物または接待の金額と等しい金額を自ら選んだ慈善組織に寄付することを求められるかもしれません。この寄付は記録し、その寄付の明細とともに、記録のコピーをチーフ・コンプライアンス・オフィサー(コンプライアンス推進担当者)に送る必要があります。

社用のギフト、贈り物または接待について疑問があれば、所属長、勤務先の人事責任者またはチーフ・コンプライアンス・オフィサーに連絡し、正しい行動を決める際の支援を求めてください。

D. 独占禁止と競争

独占禁止法は、競争法と呼ばれることもありますが、企業が市場でその競合相手、顧客および仕入先と互いに影響し合う方法を決定するものです。その意図は、取引への不当な制限を禁止して競争を促すことです。当社とその取締役、役員および社員は、当社が事業を展開している多くの国の独占禁止法と不正競争防止法を遵守することが求められています。これらの法律は複雑で、国によってかなり異なりますが、原則として、次のことに関与します。

  • 価格の固定、顧客または業者の割り振り等、顧客に損害を与える競争者間の合意
  • 製品またはサービスの再販価格の設定、会社の他の製品・サービスを購入するという同意の下で製品を販売するという条件を付ける等、顧客の販売能力を
  • 不当に制限する合意
  • 競争を避けるために原価割れで製品の価格を設定する等、独占を企てること

当社は、事業を展開している地域と国のすべてにおいて、仕入先と顧客に対しては積極的ではあっても、公正に競争をするよう取り組んでいます。独占禁止法の違反は深刻な問題であり、会社と個人を重大な刑事罰のリスクに曝します。独占禁止法の遵守について疑問があれば、所属長、勤務先の人事責任者またはチーフ・コンプライアンス・オフィサー(コンプライアンス推進担当者)に連絡して指導を求めることが大事です。

E. 輸出規制/制裁措置

当社が事業を行っているいずれの国でも、法令が輸入と輸出を規制しています。多くの場合、これらの法律は、品目が船積みされ移送される前に、輸出許可証またはその他の適切な政府の承認を要求します。

当社の社員として、各自がこれらの法令を遵守する責任があります。最低でも、

  • 物品はすべて通関手続きをしなければなりません。
  • 違反が起きた、または起きそうであると知っている、もしくはそれを疑っている場合には、取引を進めるべきではありません。

違反は、たとえ不注意な違反であっても、多額の罰金や罰則が科せられる、輸出許可書の取り消し、輸出特権の喪失もしくは税関審査の増加と遅延という結果になるかもしれません、輸入や輸出の取扱いでの適切な行動について疑問があれば、すぐに所属長、勤務先の人事責任者、輸出管理責任者またはチーフ・コンプライアンス・オフィサー(コンプライアンス推進担当者)に連絡してください。

F. 政治献金

当社はすべての法律に従って会社の立場を政府に訴え、政治献金をしています。ただ、当社の事業に影響を及ぼす問題に対しては、法律の条文と精神の範囲内で議員へ陳情する権利を有しています。 会社に代わって当社の社員による候補者、政党、現職議員または圧力団体への政治献金は、取締役会の明確な許可なしに行うことはできません。

G. 利益相反

社員には、当社の正当な利益を増進させる機会が発生したときには、それを行う義務があります。会社の取締役も、役員も、社員も、形はどうあれ、会社の最善の利益のために行動することを避けさせるような、個人的、金銭的、あるいは家族の利害関係を持ってはいけません。 具体的には、取締役、役員、社員は、以下を行うことを禁止されています。

  • 会社の財産や情報または会社の立場を利用して得た機会を個人的に利用すること
  • 個人的利得のために、会社の財産や情報または会社の立場を利用すること
  • 会社と競合すること

利益相反が実際に発生した、または発生する可能性のある場合、そのことに気が付き次第、これを所属長、 勤務先の人事責任者またはチーフ・コンプライアンス・オフィサー(コンプライアンス推進担当者)に報告しなければなりません。

H. 諸団体への加入

社員は、業務上合理的に必要性であれば、会社費用で各種団体に入会することができます。会社費用での団体加入は、その団体の設立目的と活動が合法的で倫理的である組織であって、それが広く受け入れられている社会的価値観の範囲内である場合には、妥当であると考えられます。

団体加入について疑問があれば、所属長、勤務先の人事責任者またはチーフ・コンプライアンス・オフィサー(コンプライアンス推進担当者)に連絡して下さい。

V. 当社の資産を守る

A. 資産の保護

いずれの社員も、当社の資産を守る責任があります。この責任は、物理的な資産特許、実用新案、意匠、商標およびブランドにまで及びます。 物理的な資産には、資金や製品、設備、装置、電子情報システムが含まれます。こうした資産は、当社の事業のために使用されなければなりません。各人は、盗難、逸失、損傷または悪用から会社の物理的資産を守るために適用される防護手順と使用手続きに従わなければなりません。盗難、逸失、損傷または悪用があれば、すぐに勤務先の警備室(Security office)に報告しなければなりません。勤務先に警備室がなければ、所属長、勤務先の人事責任者またはチーフ・コンプライアンス・オフィサー(コンプライアンス推進担当者)に連絡してください。

知的財産には、知的財産または営業秘密として確認されている工程と製品の情報、社内での意思伝達、電子媒体に保管されたデジタル情報、文書、口頭での議論内容が含まれます。会社の知的財産の悪用に気付いたら、すぐに所属長、 勤務先の人事責任者またはチーフ・コンプライアンス・オフィサー(コンプライアンス推進担当者)に報告してください。本書の第V節C(Section V. C.)「機密(専有・極秘)情報」を参照してください。

当社の最も価値ある資産の中に、商標とブランドがあります。ケメットの商標の価値と認知度を守るために、どのように、いつ、これらを使用できるかを具体的に記したガイドラインがあります。会社の商標やブランドを使用するときにはいつでも、社内での連絡または社外との連絡の際にも、販売代理店、流通業者、相手先商標製品製造業者(OEMs)等の第三者が作成した資料であっても、このガイドラインに従わなければなりません。仕事上、ケメットの商標やブランド名を使用することまたはこれらを使用する第三者と互いに連絡し合うことが必要であれば、所属長、勤務先の人事責任者またはチーフ・コンプライアンス・オフィサー(コンプライアンス推進担当者)に連絡して指導を受けてください。

B. インサイダー情報の使用と開示

会社の取締役、役員および社員は、その直系の家族とともに、仕事上で得た情報が公表されていないのであれば、その情報を基に証券または他の種類の資産の取引をすることはできません。また、取締役と執行役員は、SEC 規則に定められているように、会社の法律顧問(Company’s General Counsel)に通知し、承認を得た後に、会社の株式のみを取引することができます。米国も含めた多くの国では、内部の情報に基づいて取引をすることも、投資の決断をする他の人々に「内々に情報を伝える」ことも法律違反となっています。

非公表の情報を利用して、会社の株式、会社の仕入先や顧客または競合他社の株式を売買する、あるいは会社の株式オプションを行使することは、明示的に禁止されています。

C. 機密(専有・極秘)情報

取締役、役員、社員はそれぞれ、 情報に応じて印をつけること、安全に保管すること、仕事をするために知る必要のある人たちだけにアクセスを制限することにより、機密情報すべてを守ります。その対象となるのは、

  • 一般に公にはなっていない情報
  • 競争相手の役に立ちそうな情報
  • 仕入先や顧客が会社に委託してきた情報

会社が重要な非公開の情報を公開することを選択した場合、当該開示は、会社の指定した広報担当者スポークスマンによってのみ行われなければなりません。 会社の秘密情報を保持する義務は、退職後も続きます。新規採用者の居住国の法律で 禁止されない限り、新入社員はそれぞれ採用時に、社員合意覚書(Memorandum of Employee’s Agreement)すなわち MEAに署名することが求められます。さらに、採用時にMEAに署名した各社員は、MEAに加え、MEAは当社での雇用の終了時にもまだ法的拘束力があるという事実を確認する書面に署名することが求められます。 MEA と MEA 確認書のコピーは、本書の別紙にあります。

在職中に得た情報が機密情報かどうかが不明なときは、所属長、勤務先の人事責任者 またはチーフ・コンプライアンス・オフィサー(コンプライアンス推進担当者)に問い合わせてください。

このテーマについては、本書の第V節A(Section V. A.) 「資産の保護」の中にもあります。

D. 記録の管理/データの保護

当社には包括的な記録管理方針があり、すべての社員はそれに従うよう求められています。会社の記録は、定められた記録保管スケジュールに従ってのみ維持または処分されなければなりません。調査の対象となる可能性、あるいは訴訟で使用される可能性のある文書や記録を改ざん、隠匿または処分することは、いずれの社員にも認められていません。これには、紙の文書とE メールのような電子文書が含まれます。