当社は、1995年に業界に先駆けて開発したバスタレイド®は長きにわたり高い評価を受けており、業界で高いシェアを持っております。

バスタレイドは、独自のミクロ構造により優れたノイズ抑制効果を持つ薄いシート状であることから、「貼るだけ、巻くだけ、挟むだけの簡単ノイズソリューション」として、様々な電子機器のノイズ対策に用いられておりますが、さらに当社では着目したのは各種接続ケーブルのEMI対策への活用に着目しました。

近年の非接触充電の普及、データ伝送の高速化および無線化などに加え、電子機器や接続ケーブルの高密度実装化などにより、ケーブルからのEMIによるトラブルは増加傾向にあります。従来これらの対策にはフェライトコアが用いられてきましたが、スペースの制限、軽量化、デザイン性などの課題から、フェライトに代わるノイズ対策が求められています。

当社はこの市場ニーズから、バスタレイドをより簡単にケーブルに適用できるよう、シート状が基本のバスタレイドをリール状に加工したテープタイプのバスタレイドをラインアップに追加しました。

トーキンのノイズ抑制テープ（NST：Noise Suppression Tape）バスタレイド
ノイズ抑制シート バスタレイドをケーブルのEMI対策用として巻き付けやすいリール状に加工

※バスタレイド®およびBUSTERAID®は、株式会社トーキンの登録商標。

「バスタレイド」とは

トーキンのノイズ抑制シート バスタレイドは、ミクロンオーダーの金属磁性体粉末を樹脂中に分散・混合し、シート化した複合磁性体であり、電子機器から発生する高周波ノイズを効果的に抑制するシート状ノイズ対策製品です。独自構造となる、微細な磁性金属片が重なり合う方向を揃えて密に重なり合ったミクロ構造により、優れたノイズ抑制効果を持っております。

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バスタレイドには、抑制したいノイズの周波数帯域や用途、規格対応などによって大きく4つのラインアップが用意されております。

また、以下の特長を持っており、貼るだけでノイズ抑制効果を得られ、場所を選ばずに取り付けができるのが大きな利点です。

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「貼るだけ・巻くだけ・挟むだけの簡単ノイズソリューション」として、多種多様な機器に採用されているバスタレイドですが、主な使い方3例を示します。また、下記以外にも、近年携帯機器やウェアラブル機器などでの採用が増えている非接触充電・給電用の磁性材料としての利用も増えております。

ノイズ抑制テープ バスタレイド：ケーブルのEMI対策用

ノイズ抑制テープ（NST：Noise Suppression Tape）バスタレイドは、ケーブルのEMI（電磁妨害）対策用に巻き付けやすいリール状に加工されたバスタレイドで、標準品としてラインアップされています。ケーブルに巻き付けることにより、簡単にケーブルの伝導ノイズ電流を減衰させ、放射ノイズを効果的に低減できます。バスタレイドを使ったケーブルEMI対策が容易になるともに、従来のフェライトコアによる対策の代替としても多くのメリットを持っております。

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ノイズ抑制テープ バスタレイドは、ケーブルに巻き付けるだけなので、取り付けスペースに制約がありません。ケーブルEMI対策としてフェライトコアを使用する場合、狭所を引き回すなどスペースがなく取り付けが困難な状況が少なくなく、この様なケースでは、ノイズ抑制テープ バスタレイドによるケーブルEMI対策は非常に有用かつ容易です。

使用方法としては、ケーブル外周に巻き付ける方法と、ケーブルジャケットの内側に巻き付ける方法があります。ケーブル外周への巻き付けはテープ状であるため手作業で簡単に行え、内巻きの場合はケーブルメーカーへの特注が必要となりますが、EMI対策が必要な所には内巻きケーブルを使用する、という単純な対処で済みます。また、フェライトコアが目に触れざるを得なかったケーブルデザインを、スマートにアップグレード可能です。

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下記は、USBやHDMIなどのインターフェイスケーブルに対するEMI抑制効果の比較を示したものです。青色の波形はノイズ抑制テープ バスタレイドを内巻きしたケーブル、緑色はフェライトコア取り付け、灰色はケーブル単体の放射ノイズです。周波数特性に若干の違いがありますが、ノイズ抑制テープ バスタレイドのEMI抑制効果はフェライトコアに匹敵するもので、代替においても遜色のない効果が期待できます。

ノイズ抑制テープ バスタレイドの特長、仕様、ラインアップ

現在標準ラインアップされているのは、高透磁率タイプの中の「FX5タイプ」をリール状に加工したバスタレイドです。幅が2種類で粘着テープの有無により、計4種類がリリースされております。また、シールド層付などのカスタム対応も可能です。

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基本的な特長は上記のバスタレイド（シート）に準じます。以下は、ノイズ抑制テープ バスタレイドとしての特長となります。

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ノイズ抑制テープ バスタレイドの基本（共通）仕様とラインアップを示します。幅は5mmと10mmの2種類で50m巻き、粘着テープの有無が選択でき、計4種類をラインアップ。現在、車載規格AEC-Q200準拠品はカスタム対応となっております。

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ケーブルEMI対策においてスペースの制限、デザイン性向上要求がある場合に非常に大きなメリットがあり、充電ケーブル、電源ケーブル、インターフェイスケーブル（USB、HDMIなど）、オーディオケーブルなど、様々なアプリケーションでの展開が期待できます。

さらに、近年の高度で高速なデジタル処理を行う車載機器、例えばインフォテインメントシステム、メータークラスタ、ヘッドアップディスプレイ（HUD）、センターインフォメーションディスプレイ（CID）カメラアプリケーションなどでは、ECUとの接続ケーブルからのEMIが問題となるケースが少なくなく、車内の狭所に配置される接続ケーブルのEMI対策が容易になり軽量化も可能で、フェライトコアの代替としてノイズ抑制テープ バスタレイドは非常に有用な手段と言えます。

また、ケーブルユーザーによるEMI対策用としてのみならず、ケーブルメーカーがノイズ抑制テープ バスタレイド巻いたケーブルを、EMI対策ケーブルとして汎用製品化することも期待されています。

まとめ

ノイズ抑制テープ バスタレイドは、実績および評価が高いトーキンのノイズ抑制シート状のバスタレイドをリール状に加工し、ケーブルEMI対策としてケーブルへの巻き付けが簡単にできるように利便性を図った製品です。ケーブルに巻き付けるだけで簡単にケーブルのEMI対策ができ、スペースに制約がある場合や軽量化への対応に加えてデザイン性の向上など、フェライトコアの代替として多くのメリットを持っております。

その応用範囲は非常に広く、充電ケーブル、電源ケーブル、USBなどのインターフェイスケーブルをはじめ、高度化する自動車の電子機器とECUとの接続ケーブルなどへの採用が進んでおります。

こうした需要拡大に向けてトーキンでは、一般のビニールテープのサイズ感でハンドカットできるタイプなど、より利便性を高めた製品をリリースし、増加する車載需要に向けて車載規格AEC-Q200準拠品を標準設定するなど、幅広い市場と用途に対応すべくラインアップの拡充をすすめて参ります。