電流センサ

  • 概要
  • 特長
  • 用途
  • 動作原理
  • 製品仕様
  • アプリケーション例
  • 使用上の注意

概要

世の中には、さまざまな産業(FA)機器、一般機器が存在しますが、これらの機器は著しく、多機能化・高機能化と省エネ化が求められています。このようなシステムの実現には、精度の高いセンサが不可欠です。弊社の電流センサ(“MDCS®” :Magnetic Direct Current Sensor)は、複雑な電流波形の検出が可能であり、あらゆる分野で使用されています。

特長

MDCS®の特長

i. 直流電流・交流電流及びパルス電流の測定が可能

直流、交流及びパルス電流にご使用いただけます。

ii. 被測定電流に比例した出力電圧との直線性が良好

被測定電流の変化に対する直線性が良好です。

良好な直線性

iii. 高精度な検出ができる。
周囲温度の変化に対する出力変動が小さい。*2(*2特に磁気平衡式電流センサは、出力の温度ドリフトが小さく高精度検出が可能です。)

iv. 応答速度が速い

v. 導体から絶縁して電流測定ができる。
被測定電流の流れる導体と電流センサの出力回路が完全に絶縁しており、高い絶縁性を有しています。

被測定電流との絶縁

vi. 小型・軽量
小型軽量で、プリント基板実装が可能です。

vii. 挿入ロスが小さい
被測定電流による導体の挿入ロス及び発熱が小さい

用途

MDCS®の用途

  1. 汎用及び専用インバータ装置
  2. AC及びDCサーボ装置
  3. 産業用ロボットの制御装置
  4. エアコン
  5. 燃料電池、ソーラーシステムのインバータ装置
  6. 搬送機等のバッテリー電流検出
  7. 電力計

動作原理

MDCS®の動作原理

磁気比例式の動作原理
磁気比例式電流センサは、ギャップを有する磁性体コア、ホール素子及びホール素子からの出力を電流増幅する回路から構成されています。
被測定電流が流れたことにより、コアギャップ内に被測定電流に比例した磁界が発生します。ホール素子は、この磁界を電圧信号に変換します。このホール素子からの出力電圧を増幅回路により増幅し、被測定電流に比例した出力電圧を発生します。磁気比例式電流センサの特長としては、(1)高範囲まで電流測定が可能、(2)小型軽量、(3)低消費電力、などが挙げられます。

磁気比例式電流センサの基本構造

製品仕様

製品仕様

LA12シリーズ
LA12シリーズは、磁気比例式の電流センサです。単電源の電源電圧で動作します。

i. 製品仕様

「LA12シリーズ」の製品仕様
  単電源動作型
LA12
10V21 20V21 30V21 40V21 50V21
定格電流 ±10A ±20A ±30A ±40A ±50A
1次巻線 6ターン 3ターン 2ターン 2ターン 2ターン
電源電圧 +12±5%V
出力電圧 ±2.000±0.060V(測定電流が定格電流の時、RL=10kΩ)*1
残留電圧 ±2.500±0.060V(測定電流が0Aの時、RL=10kΩ)*1
ヒステリシス 60mV
出力電圧温度特性 ±0.15%/℃
残留電圧温度特性 ±4mV/℃
パルス応答性 20μsec max.(di/dt=100AT/μs)
直線性 ±2%max

*1 周囲温度25℃の場合の値

絶縁耐圧 AC2000V/1min (ワイヤーー端子間)
絶縁抵抗 500MΩ/DC500V (ワイヤーー端子間)
使用温度範囲 -10 to +75℃
保存温度範囲 -15 to +80℃

ii. 形状

注)NC:無接続、GND:アース、Vcc:電源電圧、Vout:センサ出力、 Icl入力:被測定電流(+)、Icl出力:被測定電流(-)
他仕様、電気定格、外形寸法等の詳細に関しましては、PDFファイルをご参照ください。

アプリケーション例

a.インバータ関係(インバータ内蔵家電機・汎用インバータ等)
最近では、産業機器だけではなく身近な家電製品にも、インバータが搭載されています。搭載されたインバータは、機器内のモータ回転速度等を自由かつ連続的に、効率よく変化させ、快適な運転を実現しています。電流センサは、モータに流れる電流の検出を行い、その測定値はCPUにフィードバックされて制御パラメータの一つとして使用されます。

適用例 〜インバータ制御〜

使用上の注意

  1. 本製品はコンピュータ、OA機器、通

    H2見出しa

    信機器、工作機械、計測機械、産業用ロボット、AV機器、家電等の一般電子機器に使用されることを意図して作られています。

  2. 宇宙機器、輸送機器(航空機、自動車、列車、船舶等)原子力制御機器、医療機器、交通用信号機器、防災/防犯装置、各種安全装置等極めて高い信頼性を必要とされる用途には使用しないで下さい。その他、高い信頼性、安全性が必要とされる用途に使用される場合には、必ず弊社担当営業にご相談願います。
  3. 本製品を使用したことにより、第三者の工業所有権に係わる問題が発生した場合、弊社製品の構造、製法に係わるもの以外につきましては、弊社はその責任を負いませんので御了承下さい。
〜安全にご使用いただくために〜
  1. 如何なる状態においても最大定格値を越えて使用しないで下さい。
  2. 端子への誤接続で回路が破壊することがあります。端子機能を確認の上使用下さい。
  3. 本仕様書に記載されている使用温度範囲を越えた温度範囲では使用しないで下さい。
  4. 本製品の半田耐熱条件は,260℃,5秒以内です(一部仕様は10秒)。半田付けは短時間に行って下さい。又、フラックスはロジン系を使用下さい。
  5. 本製品の基板取り付け後の洗浄には純水を使用下さい。代替フロンやアルコール類を使用すると防湿剤が侵される恐れがあります。洗浄時水分が回路部に浸入する恐れがありますので洗浄後は十分乾燥を行って下さい。
  6. 回路に半導体を使用しているため静電気が加わると破壊に至る事があります。製品の取扱にあたっては、静電気が加わらないようご注意下さい。
  7. 本製品は磁気式の電流検出器ですので、外部磁界が加わると特性が変化します。   
    外部磁界を確認の上使用下さい。
  8. 落下等の衝撃で磁性体コアが破損することがあります。落下品は使用しないで下さい。
  9. 被測定電流の周波数によっては、磁性体コアが発熱し温度上昇することがあります。温度上昇を確認の上使用下さい。